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二次創作(はぴねす!)

はぴねす!SS『魔力の行方』|第一話

□■━ 4月7日 ━■□



ピッ、ピッ、ピッ、ピピピピピピ・・・


うーん、うるさい。。
まだ眠い・・・カモ


ドゴッ ←目覚ましが止められる音


んんっ?何の音だ?

その瞬間、
バッと布団がめくられる。


「いつまで寝ておるかぁ!!雄真っ!!さっさと着替えて、庭に出てくるのじゃ!!」

「んあ。いったい何が――って!?師匠っ!?なんで俺の部屋に!?」

ドゴッ

「イテッ!何するんだよっ!」

「鍛錬以外では、”師匠”と呼ぶなと何度も言っておるじゃろうが!」


ベッドの前に仁王立ちする、一見すると中学生くらいの少女。

陶磁器のような白い肌に、自信に満ちた大きな眼。
黒いサラサラの髪は、腰まであって長いリボンが結ばれている。


「はいはい。詩織。これでいいんだろ。ふあぁ〜」

「うむ。呼び方は大切じゃからな」


この見た目少女の名前は、『葉月 詩織』。俺の魔法の師匠。
かれこれ10年近い付き合いになる。
初めて会った姿から、全然変わらないのが謎だ。(年食ってんのか?)


「ところで、詩織。なんで俺の部屋にいるんだ?」

ドゴッ

「いってーな!いちいち殴るな!」

「お主がいつまでも起きて来ぬから、起こしに来てやったというのに!」

そう言って、ぷぅーと頬を膨らませる。
ほんと、まんま中学生だな。年上には見えんぞ。

「あー、わかったわかった。着替えてすぐ行くから先に行っておいてくれ」

「早くするのじゃぞ。庭で待っておるからな」


そう言うと、パタパタと部屋を出ていく詩織。

さて、それじゃ着替えるとするか。

殴られた頭をさすりながら、ジャージを手に取って着替え始めた。

と、

「よう、相棒!今日も相変わらずだな」

右手のブレスレットがいきなりしゃべり出す。

「なんだ、ゼク」

「冷たいねぇ〜。朝の挨拶は大事だぜぇ」


こいつは『ゼク』。俺のマジックワンド。
本当はゼクなんたらという長い名前の魔法具らしいが、略してゼクだ。

マジックワンドというのは、魔法使いをサポートする魔法具のこと。
通常は、クラスEになると自分の思い入れのある品を元に、特別な魔法で作られる。
俺の場合は、クラスに関係なく作ってもらったのだが。


「そんなことより、ゼク。わかってるだろうな?」

「へいへい。外に出たら、人前でしゃべるなってんだろ?不便だね〜」

「今日から学校が始まるんだ。また、変な噂を立てられたら学校生活がやりにくくなる」

そう、前に一度コイツと話をしているとこを見られ、『独りでブツブツ言っている電波なヒト』という噂を流されたことがあるのだ。
もうそんなことは勘弁して欲しい。


「よし。とっとと下に降りて庭に行くか」

着替え終わった俺は、部屋を出た。




「おはよう〜」「うぃ〜っす」

「あら、雄真くん、ゼクちゃんおはよう」

「お〜い、音羽。いつも言ってるが、その”ゼクちゃん”ってのはやめてくんねーか。オレのキャラじゃねぇ」

「いいじゃな〜い。ゼクちゃん、可愛くて」

そう言ってコロコロ楽しそうに笑う女性。
この人は、小日向音羽さん。通称”か〜さん”だ。


10年前、俺は小日向家に預けられた。
魔法使いになるために勉強し始めた矢先のことだったが、
母さんはどうしてもやることが出来たとか何とか言っていたと思う。
そして俺は、母さんの親友の小日向音羽さんに預けられたってわけだ。

別る際に、師匠を紹介され、ゼクを作ってもらった。
そして、
「また、10年後に会いましょうネ♪」
みたいなノリで見送ったような・・・気がする。
そういえば、今年で10年か。

回想終了。


か〜さんとゼクはまだ何か言い合っている。
もうそろそろ切り上げてくんないかな。詩織がキレるぞ。


「あっ、兄さ〜ん!おはようございます!」

か〜さんとゼクの話し声を聞いて、キッチンの奥からとててっと現れたのは、妹の『小日向すもも』。
妹といっても血は繋がっていない。か〜さんの実の娘だから義妹ということになる。といっても、預けられる前から一緒に遊んでいたりして妹となんら変わりない事をしていたから妹になっても違和感はなかったけどな。

肩までの髪は、薄い桃色。大きなリボンで後ろに纏められている。
整った可愛らしい顔立ちは、か〜さんによく似ている。

「おはよ。すもも」

「今から鍛錬ですよね。見学しててもいいですか?」

「ああ。ちゃんと結界の外にいるんだぞ」

「はい!わかりました」


さて、行きますか。
俺は、か〜さんとゼクの会話を強制終了させ、リビングから縁側を通り庭に出た。




「遅くなりました。師しょ――」

「おっそ〜いっ!!師匠を待たせるとは何ごとじゃ!!たるんでおる!たるんでおるぞ、雄真っ!!」

朝からすごいテンションだ。
黙っていれば、可憐な大和撫子なんだが。(ちなみに服装はジャージ)

「まあまあ、姐さん。ここはオレに免じて――」

「だまれ、ゼク!お主も同罪じゃ!」


だめだ。このままでは、いつまで経っても鍛錬が始まらん。
始まらないということは、終わらない。(当たり前だ)
つまり、入学式から遅刻ということに・・・それだけは、絶対に避けなければ。

よし。あの手を使うか。


「師匠っ!!」

叫んで俺は、詩織の目をじぃ〜っと見つめる。

「な、ななな、なんじゃ!?そんなにじぃ〜っと見つめおって」

何故か顔をほんのり赤くして、うろたえる詩織。
ここだっ!

「遅れたお詫びに、今度ケーキをご馳走する」

「・・・っ!?ケ、ケーキじゃと!?」

おおっ!やっぱり効果てき面だな。
詩織は、無類のケーキ好きだからなぁ〜。

「そう、ケーキだ」

「ま、まことかっ!雄真が妾に馳走してくれるというのか!?」

「ああ」

「喫茶”キュロット”のイチゴショートケーキじゃぞ!」

細かっ!店まで限定かい!

「男に二言は・・・ない」

「う〜む。そこまで言うのなら、今回の件は不問にしてやろうぞ」

ふぅ。やっと鍛錬が始めれそうだ。

「じゃが、次はないぞ」

「肝に銘じておく」



10メートルくらいの間隔を空けて、詩織と対峙する。

「では、始めるかの」

「おう!」

「隠蔽結界と隔離結界はもう張っておるから、時間もないし早速始めるぞよ」

「・・・行くぜっ!」

俺は、全速力で突進。
詩織までの10メートルの距離を一気に縮める。

その勢いを殺さずに、腰を捻り右突きを繰り出す。目標は詩織の左肩。

シュッ

あっさりかわされる。が、これは予想済みのことだ。
すかさず、身を屈ます。

ブォンッ

その上を詩織の回し蹴りが嫌な音を立てて掠める。(女の蹴りじゃね〜)

ここで、右足を軸に左足で足払いをしかける。
しかし、空振り。

詩織はというと・・・ジャンプして後ろに一回転、フワリと着地すると同時にこちらへ突進。

はっ、速い!!

連続した突きが繰り出される。

シュッ シュッ シュッ

でもま、かわせない速さじゃあない。
あるものは紙一重でかわし、あるものは受け流しつつ、攻撃を受け続ける。

突きを受けながら、考える。
詩織の場合、決めは蹴りが圧倒的に多い。

ここは、蹴りを待ってカウンター狙いだ。


ちょうどそこへ詩織の渾身回し蹴りが。

もらった!!

俺は屈んで蹴りをやりすごし、寸止めの突きを食らわせようと・・・

あれっ?蹴りがいつまで経っても通り過ぎないヨ。

なんか詩織の足が頭の真上にあるんですけど。

次の瞬間。

ドゴッ

「ぐげっ!」

地面に沈む俺。
これは、踵落としというやつですね。テコンドーでいう”ネリョチャギ”、ガフッ。


「甘いのう〜。雄真。妾の誘いにまんまと騙されおってからに」

「くそっ!いけると思ったんだがなぁ〜」

「まあ、型は様になってきておるがの」

「我が『葉月流−流身術』。流れる葉のように攻撃を受け流し、そのまま攻撃に転じる。基本はなっておるが、あとは駆け引きじゃの」

詩織は、プラプラと片手を揺らしながらしゃべっている。
なんか、ムカツク。


「さて、次は魔力を使った鍛錬じゃ」

「はい〜」

「なんじゃ、雄真。しゃんとせんか!」

で、でもまださっきのダメージが・・・

「ふぅ、いいか雄真。何度も説明したが、我が葉月家は魔力的に優れている訳ではない、大魔法使いを輩出している訳でもない。その葉月家の次期頭首たる妾が何ゆえお主の教育係を仰せつかったか、覚えておるか?」

まだ、頭がフラフラするぅ〜

「え〜と、身体強化魔法を実戦で使っている唯一の一族だから?」

「そうじゃ。お主は特別なんじゃ。生まれてすぐに潜在する膨大な魔力が制御できずに暴走し、封印を施すことで普通に暮らしていられる。そんなお主が、魔法を使うには、まず右腕のブレスレット『ゼクァイスシール』の封印を解かねばならん。何百という魔力封印の特別な魔法式が埋め込まれた魔法具じゃ」

「そーいえば、ゼクはそんな名前だったよーな」

「封印を一つずつ解いていくことにより、魔力を開放し、魔法を使えるというわけじゃな。だが、魔法を使った後、また封印の魔法式を再構築する必要がある。放っておくと、全ての封印が解けかねん。お主にはまだ、全魔力を制御することはできんからの」

「まず、封印を自由に解いたり、再構築できるようになる必要があったわけじゃ。そこで、練習にもってこいなのが、身体強化魔法じゃ。この魔法は、魔法式を必要とせん。身体の筋肉、骨、果ては神経まで、魔力を纏い強化するものじゃからな」

「だから、朝は体術。夜は魔力開放の鍛錬なんだったよな」

「うむ。大分回復したようじゃの。ちなみに、お主が現在開放できる魔力は、10%くらいだったかの」

「む。それでも大分苦労したんだぞ」

「そう怒るな。その10%でも妾の全魔法力より上なんじゃからな」


「さて、時間もないしさっさと始めるかの」

そう言って、詩織は意識を集中。したかと思った瞬間には両手両足が淡く輝いている。
これが、身体強化魔法。
葉月流−流身術と組み合わさったコレは、全身凶器のようなものだ。

「いくぞ、ゼク」

「あいよ。相棒!」

ゼクに埋まっている封印を解いていく、
その度に流れ出る魔力を手足に纏う。

10%、これが今の限界だ。。

「よし」

いい感じだ。スムーズに封印が解けたと・・・思う。

「まだまだ遅いの。格段に速くなっておるが、そのスピードでは一撃がすでに入っておるぞ」

ったく、わかってるっての!


「いくぞよ」

言った瞬間に詩織の姿が掻き消えた。

「・・・ッ!?右!?」

そう、身体強化魔法を帯びた術者の姿は肉眼では絶対確認できない。(某漫画の三つ目の格闘家なら可能かもしれないが)
魔力を感じて対処するしかないのだ。

「ぐっ!?」

右頬を掠った突きをギリギリでかわす。(当たったらどーすんだ!)

「今度は正面か!」

魔力を纏った容赦ない蹴りが正面から叩き込まれる。

とっさに魔力を両腕に集中!

しかし、
両腕でガードするも、吹っ飛ばされる。

「どわぁぁっ!!」

ドカッ、ズサーッ

隔離結界の壁に衝突。試合終了〜。


「だらしないのう〜。雄真」

詩織は右手を振って結界を解く。

と、同時に。

「兄〜さ〜ん!!」

すももが俺が倒れてる元へ猛ダッシュ!

「大丈夫ですか?」

タオルで汚れた箇所を一生懸命拭いてくれる。イタタタッ、痛いよすももさん。

「あ、ああ。大丈夫だ」

ほんとはあんまり大丈夫じゃないけど。


「あんまり加減が出来んかったが、大丈夫かの、雄真?」

「大丈夫じゃない」

「ところで、何故お主が負けたかわかるか?」

「そりゃ、歳の差――」

ヒュンッ

何か魔力が込められた石のようなものが、左頬を掠めていったのですが。

「何故お主が負けたかわかるかの?」

「はいぃっ!!経験の差であります!!」

怖ぇ〜よ。歳のことはタブーとわかっちゃいたけど。

「まあ、それもあるがの。何度も言っておるが、魔力の使い方の差が大きいの」

「ん〜、わかってるって」

もう耳たこだ。

「何も考えずに魔力を纏っただけでは、身体能力の強化は望むべくもないのじゃ。自分の筋肉、骨、神経に合わせて浸透させねばの。言うなれば、魔力は第二の血液みたいなものじゃ。きちんと必要な箇所を巡らせて、初めて身体能力の強化になるのじゃ」

「俺は意識してるつもりなんだけどなぁ〜」

「じゃが、このざまじゃ。本来なら、お主の魔力の半分も腕に集中できれば、あの程度の攻撃に吹っ飛ばされることもないわい」

「身体強化魔法は、すこぶる燃費が悪いのじゃ。使う瞬間に魔力を開放、集中出来ねば実戦では使えん。特にお主は、封印を解くという作業が入るからの。まだまだ鍛錬が必要じゃ」

「はぁ〜。やっかいな体質に生まれてきたもんだ」

「まあ、この10年で自分の魔力を10%でも使えるようになったのは、大いなる進歩じゃ−鈴莉も満足するじゃろうて

「師匠?最後、何か言いました?」

「いや、なんでもないぞ」

んんっ、怪しいな。

「じゃあ、妾は先にシャワーをいただくとするかの」

まあ、いっか。

「ありがとうございました!」

見た目中学生の詩織だが、実は20代半ばなんだよな。
現在は、葉月家の次期頭首として、道場の師範代をしているらしい。
朝、夜の鍛錬のために小日向家に通っているが、基本的には社会人だ。

おっと、俺も詩織の後にシャワーを浴びて学校に行かなければ。


今日から、瑞穂坂学園普通科に通う生徒だもんな。

入学式から遅刻は悪評に繋がるし。

ちゃっちゃと準備して出かけますか。



プロローグ(後編)へ  ⇒第二話へ


++++++++++++++++++++++++++++++++
☆★あとがき★☆

結構長くなってます。

原作とは違い、いきなりオリジナルキャラが登場してます。

さてさて、どうなることやら。


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コメント

  • 感想です
  • 22.セルビッチ
  • 2007年06月17日 |
  • ほぼオリジナルな展開・・・ι
    でもオリキャラがいい!
  • [編集]
  • 感想ど〜も
  • 23.カムカム
  • 2007年06月21日 |
  • >セルビッチさん
    感想どーもー。
    これからもオリキャラをどんどん入れていく予定っす!
    月一くらいの更新ですが、よろしくです〜。
  • [編集]

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  • レビュー・評価:はぴねす!/第1話 バレンタイン
  • 品質評価 27 / 萌え評価 54 / 燃え評価 2 / ギャグ評価 15 / シリアス評価 13 / お色気評価 22 / 総合評価 22レビュー数 103 件 頭脳明晰、容姿端麗、運動神経抜群!更に品行方正と、まさに「完璧」な女の子、神坂春姫。バレンタインデーを間近に控えた日曜日に、瑞穂坂学園
  • 2007年06月29日 |
  • ANIMA-LIGHT:アニメ・マンガ・ライトノベルのレビュー検索エンジン

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プロフィール


Author:カムカム
ライトノベル大好きっ子です。家には100冊以上ストックされており、なお増殖中。感想を書いていきますんで、よろしくです!


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